Flower Performanceは今年で12年目を迎えました。
12年間の代表作品をあらためて振り返ってみたいと思います。
どんな会場も特有の難問を抱えています。そんなエピソードを交えながらご紹介します。
《各回の詳細写真は、『作品事例集』に掲載しています》
■2000年12月:東京台場フジテレビ 『風のオブジェ Wind magic』
フラワーパフォーマンスのデビュー作品。
開幕前日ぎりぎりに制作が完了。その直後にライトアップの試験
点灯。予告もなしに「パッ」と点灯した瞬間、涙がポロポロ。
「こんな凄いもの、誰が創ったんだろう」と不思議な感覚で呆然と
眺めていたことを、今でもはっきり覚えています。
風に揺られた花びらがキラキラキラキラと輝いて、綺麗だったな~。
■2001年1月:東京台場ホテルメリディアン 『ハートプレイス』
台場駅のまん前。つまりお台場地区の正面玄関に5万本のパン
ジーを敷き詰めてパフォーマンス。しかしここは、建物の北側。
この時期は1日中陽が当たりません。朝まいた水で通路が凍っ
たり、数年ぶりの積雪がなかなか溶けなかったり、で大変でした。
それでも、駅を出たお客様が、駆け出すように花に近づき歓声
をあげてくれる。これだけで頑張れました。
■2001年12月:東京台場フジテレビ 『風のオブジェⅡ』
フジテレビ本社ビルの大階段は、西側にあり海を向いています。
周辺には、高層ビルもあり、風のない穏やかな日はほとんどあり
ません。階段下方向から吹き上げる風は強烈で、思うように水遣
りの作業をさせてくれません。
でも、夜になるとこの厄介な風が、私の最高の相棒になるのです。
風を受けた花びらが、ライトの光を受けてキラキラと輝く情景から、
『風のオブジェ』と名づけました。
■2003年3月:横浜赤レンガ倉庫 『キャンドルプレイス』
2棟の赤レンガ倉庫に挟まれた巾20mの石畳。花を設置できる
「長さは87mまで」と決められていたのに、1本でも多くの花を飾
りたくて、ジワリジワリと終わってみれば107mになってしまった。
『おかしいですねー』ととぼけてみても確信犯はバレバレで・・・・。
でも、とっても綺麗だったので許してもらいました(仕方なく。)
■2004年3月:横浜赤レンガ倉庫 『Ring Ring ベルを鳴らそう』
商業施設としての赤レンガ倉庫開業2周年にちなんで、数字の「2」
をモチーフにハートを造形。その中央に船の航海用のベルを取り付
けて、来場者に鳴らしていただこうという趣向。そのベルを鳴らしたく
て毎日長蛇の列。急遽警備員を増員したり安全管理が大変でした。
いつしか、「幸せのベル」という都市伝説?ができあがっていました。
■2004年7月:富士急行ぐりんぱ 『in summer』
富士山2合目。標高1200m。
『この高地に普通の花は咲かせられない』という周囲の忠告を
無視して、ごくごく普通のペチュニアやサルビアを咲かせました。
が・・・・・。この年は超大型台風が3週連続日本に上陸しました。
標高1200mに台風が直撃するとどうなるか?最大瞬間風速
60mの世界を屋外で体験する恐怖、存分に味わいました。
もちろん花はボロボロになりましたが、懸命の手入れの甲斐
あって1週間後には、概ね回復しました。
■2005年3月:横浜赤レンガ倉庫 『サンクチュアリ』
フラワーパフォーマンスは、昼間の美しさに自信がないから
夜の演出にこだわっているわけではありません。
ご覧の通り、昼間も圧倒的な花の量で美しさを誇っています。
ここに立っていると、沢山の笑顔に出会います。老若男女国籍
を問わず、みんなが幸せそうな、素敵な笑顔を見せてくれます。
それが、何ものにも代えがたい私の一番の宝物です。
■2007年12月:東京丸の内、大手町、有楽町
■光都東京・LIGHTOPIA2007『フラワーファンタジア』
首都東京のド真ん中。その公道を交通規制もせずに実行。
12日間の開催期間中の来場者は、230万人。一日平均
約20万人のお客様のほとんどが17:00~20:00の時間
帯にどっと集中するという、空前絶後の現場でした。
メインオブジェは、高さ6mのフラワータワー。スチール製の
骨組みに、1本1本手作業で花を取り付けます。この作業が
意外と難航して製作現場はオセオセに。
タワーや花を照らし出すのは、140基のフルカラーLED。
音楽とともに様々な色に変化する様は、まさに『地上のオー
ロラ』。花びらの輝きは遠目にはまるでイルミネーション。
近づいてみてやっと『わ~。花だったんだ~。』という驚きの
声を聞いて、思いっきり『どや顔』になる私でした。
今回の会場は、丸の内仲通りをメインに、東京駅、東京国際
フォーラム、丸ビル、新丸ビル、大手町サンケイビル、有楽町
大手町野村ビルの合計8箇所。
各会場に設置したフラワータワーは合計19基。
使用した花の総数は17万本にのぼりました。
毎日ライトアップ終了後、深夜0時から、タンクローリー2台を
フル稼働して水遣り作業を実施しました。
夜が明ければ、また沢山の笑顔に出会える。それを励みに。
■2009年5月:全国都市緑化フェア高崎会場フォローアップイベント
■Flower Performance2009 『クリスタルブーケ』
高崎市の中心部を貫く公道。その歩道でパフォーマンスを。
これが今回のミッション。6m歩道。歩道としては広くて綺麗
ですが、パフォーマンス会場としてはちょっと狭い。その狭さ
もさることながら、メイン通りなので街が明るい。
得意のライティングパフォーマンスの照明効果がちょっと心配。
恐る恐る点灯してみると、オブジェに設置した23本のガラス
の花瓶が見事に浮かび上がり、大成功。
高崎は、音楽を愛する街で、花瓶の配列が、メロディーを刻
む音符のよう。と表現してくれた人もいました。
■2010年12月:高崎光のページェント
■Flower Performance 2010 『天使のドレス』
『昼間みても美しいクリスマスイルミネーション』これが私の
挑戦テーマでした。
夜は綺麗なイルミネーションも昼間は電飾がゴチャゴチャ。
これではイヤなので、高さ13mの巨大ツリーを、雲竜柳
2000本で被覆したところ、なかなかいい感じに仕上がりま
した。日ごろから何の根拠もなく『天使は森に棲んでいる』
と決め付けている私は、沢山の柳の枝を身にまとった
巨大ツリーの様子を見て『天使のドレス』と命名しました。
2010年12月。
『高崎光のページェント2010』のメインオブジェとして『天使のドレス』を発表しました。
『天使のドレス』は高さ13m、底辺直径10mのスチール製タワーに5万球のLEDイルミネーションを
装飾し、周辺を1万本の花とライティングで演出した作品です。
またタワーには、白く塗装した2000本の雲竜柳をとりつけ、『昼の顔』も楽しんでいただきました。